【転載連載】6日目の選挙戦を終えて~「まち」よりも「ひと」へ~

【6日目の選挙戦を終えて~「まち」よりも「ひと」へ~】
選挙選はいよいよ中盤に。
6日目のスタートは中洲川端駅での朝のご挨拶から。今朝は私の公約が掲載された選挙広報を持って、古くからの友人がわざわざ激励に駆けつけてくれました。
ビルの群れで形成される「まち」よりも、そこに暮らす「ひと」を大切にする私の政策への支持を熱っぽく語ってくれて、力と勇気が湧いてきました。
選挙カーでの遊説は、中央区や博多区の都心部を中心に回りました。
天神ビッグバンや博多コネクティドといったビルの建て替え促進策の恩恵もあって、まちの景観は大きく変わり始めました。
この開発促進策を今後どうするかは、まちの将来の明暗を大きく分けると考えています。
今回の市長選の最大の争点の一つです。
地価公示の過去数年間の傾向を見ると、福岡市の中心部の地価はずっと上がり続けてきました。
地価が上がり、大きなオフィスビルが建てば、固定資産税の収入は増えます。
今回の市長選では、固定資産税の増収を福祉施策など市民生活のために振り向けるといった主張が他の陣営から聞かれているようですが、私は「そう単純な話ではない」と考えています。
天神地区の地価の動向を地価公示から読み取ると、ここ2年ほどは既に頭打ちです。
コロナ禍の影響で人々の働き方にも大きな変化がある中で、今後中心部のオフィス需要がどうなっていくのかということの先行きが見えないことが、大きな要因ではないでしょうか。
福岡市中心部のオフィスの平均空室率は現状でも5パーセントを超えていますが、天神ビッグバンによるビルの建て替えラッシュは、まだまだこれからです。
先日、ある業界誌に築年数ごとの平均空室率が掲載されているのが目にとまったのですが、築年数が新しいビルほど、明らかに空室率が高い傾向にありました。
私が恐れるのは、新築物件に多くの空室がある現状で新たなオフィスが供給され、新築物件同士で賃料の値下げ競争が起きたときにどうなるかということです。
より新しいビルが好まれるのは当たり前のことなので、築年数の古い物件では入居者をつなぎ止めるために更なる値下げ競争をせざるを得なくなるでしょう。
こうなれば、みんなで悲惨な資産価値下落のスパイラルに陥ってしまいます。
このままの路線を継続すれば、福岡市中心部の地価や建物の評価は下落する方向にしかなりません。供給されるオフィスは普通に企業誘致をして埋められるレベルではない。
中心部から得られる固定資産税は遠からず減少に転じるのではないかと予想しています。
そうなったときに、福祉施策にかける予算も減らしていくのでしょうか?冗談でも許されない発想です。
福祉施策の維持と充実にかける財源は、毎年数十億円規模を計上する決算剰余金の活用をはじめ、市債の償還ペースを少し緩やかにするなど、確実性の高い手法でしっかりと確保していくというのが私の方針です。
「おこぼれ」で福祉をやるといった発想には決して立たないことを、ここで明言します。
その上で、中心部において活発にビルの建て替えが続くこと自体は、まちの活力の観点からも民間主導で進めて頂きたいと思いますが、オフィス供給ばかりをいたずらに増やすような今の容積緩和・高さ規制などの緩和の方向性には軌道修正を加えなければと思っています。
オフィスではなく、市民の芸術・文化活動の拠点となるようなホール機能など、市民生活の質の向上につながる機能を持たせる場合に限って、容積や高さ規制などの緩和を認めるようにしたい。
また、これに限らず、開発の促進と中心部の資産価値の維持のベストミックスという視点に立ちながら、効果的な施策について民間や学識経験者などの意見を広く聞いていきたいと思っています。
今日は天神ビッグバンを中心に、私の考えと政策について紹介させて頂いたのですが、そもそも今回の選挙選では「ひと」を大切にする市政への転換を最大の訴えにしています。
「人の暮らしの元気こそ、まちの元気だ」という信念に基づき、暮らし重視の政策を強く打ち出しながら、支持のお願いをしています。
明日はそのことについて紹介させて頂くつもりです。
6日目も多くの仲間の支えと、多くの市民の皆さまのご声援を得て、胸を張って元気よく頑張りました。
明日からもまた、応援をよろしくお願いします!
田中しんすけ

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